設計でできること



設計家は、豪邸・マンションやビル、公共事業を設計するところと思われている方がいます。
建主と設計者とがコミュニケーションをする中で建主の要望と、敷地条件、法規、予算、構造、設備といった条件を組み上げて図面化し現実の建物の形にしていく、設計(シナリオ)が主な仕事ですが、もっと深いところがあります。

建主の要望の中にある見えない願望と潜在されている気持ちを汲みだしていく目的があります。

要望だけまとめて提案しても良いとはご返事下さいません。もっと何かないの、こんなのではなくてとの会話が出てきます。

建主だけでなしに、住まれる家族の方とのコミニケイションが大切な仕事です。設計づくりのもっとも大切なところです。

設計とは、建主の本当に望む建物を理解して図面にあらわして行く過程です。設計図を描くのは、設計の最後の形でしかありません。ですからコミュニケーションがもっとも重要です。

さらに、工事費(見積)の調整、役所への建築確認申請、工事中の工事監理(管理ではありません)といったことも大切な仕事です。いいかげんに済ますと後で調整がつかなくなる内容です。
工事費の調整は工事見積書と建主の予算、希望を調整する作業で、見積書をチェックするには経験と知識が必要です(建主が、ご自分ですると大変な努力と知恵が必要です。協力者が必要です)。見積は、建築施工業者の善し悪しの判断材料ともなる内容です。
設計者は初めて付き合う施工業者を、見積がきちんとできているかどうかで判断できます。現場を担当する人の人柄、今までの工事実績、職人の質も、とても大切な判断材料ですが、施工前の段階では見積書が、設計意図とお金と工事内容を十分把握しているかどうかを端的に表わすものとなります。

建築確認申請は、工事施工者が建物の工事を始める前に、設計者が建築基準法に基づいて、その建物が、建物の敷地、構造及び建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受けます。
工事監理は、建物の工事に、図面の意図や建主の意向を現場に反映させる作業です。
建主の代理として工事に間違いや手抜きがないかチェックする仕事で、建物の善し悪しがここで決まると云って良いでしょう。

希望の建物を作るには、満足のいくコミニケイションをし設計図を作り、それがきちっと行われているかをチェックして建物を完成して行くことです。
設計家仕事はここに現れることになります。設計だけを頼むといったことは、建物の心を伝えても育てることをしないことになります。大切な財産をあいまいにすることになります。
また、仮に、建主と施工者との間にトラブルが発生しても設計家に解決を委ねることができます。
住宅メーカーや工務店の住宅でも設計監理は必要ですが、建主のことも全く知らない下請けに設計を頼んでいます。
そ上記の通り、建主の立場で設計する、設計家に依頼することが望ましいのではないのでしょうか。

設計家は、材料・外構や設備機器などの仕様を全て網羅した設計図の完成後に複数の施工者に同一条件で見積りを依頼できます。仕様など全てが明確に示されていますので見積する施工者側もリスクが少いため、ぎりぎりの見積をすることが出来ますので、明確なトータルの金額で工事契約を結ぶことができます。
工事途中で仕様変更などをしたとしても、工事の総裁において増減の判定をして適正な価格の調整がはかれます。

 建主と作る方とのコミニケイションをはかり建主の立場で考える人が設計家です。